【🍓農家が教える美味しい苺の見分け方】2-熟度

甘くて美味しいいちごの見分け方、第二回は熟度です。

なんとなくみなさまお分かりかと思いますが、

いちごは良く熟しているほど甘いです!

しかし熟しすぎると実がグズグズになってあんまり美味しくありません。

どれだけ熟れているかの指標、いちごでいうと赤さの指標が熟度です。農作物は工業製品ではないため一つとして同じ規格のものがありません。そのため一般の方はなんとなくふわっと見た目で決めているかと思いますが、例えば私たちが出荷している農協の出荷グループでは、出荷していい基準として赤さの割合がバッチリ決まっているのです。

熟度が高いと、何となくお分かりかと思いますが甘くなります。甘さの指標は糖度という言葉で表され、高いほど甘いです。ただいちごは酸味も重要で、ただ糖度が高いってだけより酸味とのバランスがとれたもののほうが甘く感じるし美味しいのですが、糖度はある程度、絶対必要なおいしさ要素の一つですのでやっぱり高いほうが素敵です。

そして、どうやって糖度を計るかですが、ぶっちゃけ統一されていません。うちの贈答いちごの場合はブランド苺を担当する市場担当者の方にむかし教えてもらった方法で、ヘタ付近と真ん中と先の三か所を切りわけて測定・平均値を出し、電子糖度計では14度以上のみのものだけ販売しています。手で持つ糖度計の、いわゆる屈折計ってやつだと同じいちごを測っても20度以上になります。電子糖度計でないと正確な値がわからないのかな~?不思議。

完熟度順にならべました。ちょっと脱線しましたが、さて見た目でみる熟度の話に戻りましょう。


完熟度順にならべました。

いちごは、緑の実が大きくなりながら少しずつ赤くなっていき(熟度0~70%)、実がヘタまで全部赤くなり(熟度70%~80%ですが、ここで「完熟」と言っていいと思います)、種まで赤くなり(熟度80~100%)、実に触れないほど柔らかく果汁があふれ出し(熟度100%以上)、さらに置いておくとそのまま干からびる、または運悪く空気中にいる腐敗菌がついたものは腐ります。

当然、熟度が高いほど潰れやすいです。収穫時や輸送中等に潰れたり傷ついたりして汁がでると、痛むのが超絶早くなって長く販売することができなくなったり、B品扱いでの販売となりますので、農家の収穫タイミングの見極め・配送業者の丁寧さ・店頭での取り扱いすべてに注意が必要です。なおほかのところはわかりませんが、うちは時期によって変わってくるもののだいたいの指標では種まで赤くなったところで収穫・出荷しています。そうは言っても、指定されてはいても農家各人でふわっとしている熟度という概念……私たちも参加している、農協の勝占のいちごの出荷グループでは、「目慣らし会」といって、実際に自分たちのいちごを持ってきて、みんなでこれは出荷していい苺かどうかとか、等級とかの見解をそれぞれの農家で統一するための会があるのですが、その際に熟度の判断もみんなで統一しています。

その1でも書きましたがいちごは収穫後も照明や太陽光などで赤くなりますので、糖度は収穫後どんどん減っていきます。

熟度を見るときは鮮度も併せてみつつ、見極めてくださいね!

ご参考になれば幸いです♡

3回目は旬について書きます!